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そもそも交換留学とは?

過去に交換留学に参加された方へのお願い

こちらのページにおいて、加筆・修正した方が良いものがある場合は、こちらのGoogle Formからその旨を教えていただけると嬉しいです。


ページ概要

  • 交換留学スケジュール
  • 交換留学の種類(全学、部局、研究室)
  • 交換留学先の選び方
  • 交換留学のメリット・デメリット

1. 交換留学とは

まずそもそも交換留学とはなんでしょうか 東京大学のWebサイトを見てみると以下のように書かれています。1

Quote

交換留学とは、東京大学と東京大学の協定校(東京大学が学生交流覚書を締結している海外大学)が1学期~1年間学生を交換する留学プログラムです。(英語では一般的に”Student Exchange”と言います。)東京大学が授業料を徴収せずに協定校の学生を受け入れる代わりに、東京大学の学生は東京大学に授業料を納めれば、留学先での授業料は支払わずに協定校で授業を履修したり、研究指導を受けたりすることができます。これを大学全体で実施するものが「全学交換留学」です。全学交換留学は、資格条件を満たす学生であれば、どの学部・研究科の学生でも応募することが可能です。

簡単に言えば、交換留学は「東大へ学費を払って、東大の協定締結校へ1学期~1年間留学できるプログラム」です。

東大の協定締結校の学費は 年間500-1000万円かかるところもある ので、東大の学費を払うだけでそんなところに留学できるのはかなりお得です。

しかし、こんな疑問が湧きます。

Question

  1. 交換留学に参加できるのは学部生のみか?
  2. 交換留学は1年間留学する必要があるか?
  3. 交換留学すると必ず留年することになるか?
  4. 交換留学には高度な英語力が必要か?
  5. 交換留学にはどれぐらいの費用がかかるのか?奨学金などはあるか?

一つ一つ解決していきましょう。

1.1. 交換留学に参加できるのは学部生のみか?

答えはNoです。

交換留学は、 「学部生でも、修士学生でも、博士学生でも」 参加できます。 東京大学だと、東京大学では多くの学生が3年生から交換留学を開始するため、どうしても学部4年生や、修士、博士の学生は参加できないイメージを持ってしまいがちですが、そんなことは全くありません。

事実私は修士1年生のタイミングで留学を開始しました。

1.2. 交換留学は1年間留学する必要があるか?

こちらもNoです。

交換留学は、1学期から1年間まで、自由に留学期間を選ぶことができます。また、国によって学期の期間が異なるため、 留学期間は想像以上に柔軟に選択することができます。 一例を挙げると学期の期間は以下のようになっています。

学期の期間

  • カナダ: 9月~12月, 1月~4月の2学期制
  • アメリカ: 9月~12月, 1月~5月の2学期制
  • イギリス: 9月~12月, 1月~3月, 4月~6月の3学期制
  • オーストラリア: 2月~6月, 7月~11月の2学期制
  • ドイツ: 10月~2月, 4月~7月の2学期制(日本と殆ど同じ)

上の例を見てわかるように、国によって、学期の期間が大きく異なることがわかります。そのため、例えば、就職前の4年生の9月から12月まで留学したい!、となった場合は、その学期の間だけカナダの大学に留学する、といったことも可能になります。

1.3. 交換留学すると必ず留年することになるか?

こちらもNoです。

上述したように、留学先の国によって、1学期の期間も異なるため、比較的自由に留学期間を選ぶことができます。

留年しないパターン例

  1. 4年生の6月に就活を終わらせ、4年生の9月から12月末までカナダへ留学、帰国後に卒業。
  2. 3年生の9月に就活を終わらせ、3年生の9月から6月までアメリカへ留学。帰国後に卒業。
  3. 修士2年の6月に就活を終わらせ、修士2年の9月から1月末までヨーロッパへ留学、帰国後に修士を卒業)。

...etc

そのため、国や学期を選べば、 留年することなく留学することも可能 です。

1.4. 交換留学には高度な英語力が必要か?

こちらも基本的にNoです。

交換留学先の協定締結校によって、英語力の要求レベルは異なりますが、 東大の協定締結校の多くは意外と英語の要求レベルが低い です。TOEFL100点以上やIELTS7.5以上の成績が全ての大学で求められるわけではありません。

アジアの国であれば、TOEFL iBT 60~70点程度で留学できるところもありますし、ヨーロッパも80点~90点程度あれば大抵のところには留学することができます。(理数系・工学系の分野で欧州で有名なETHなどへのTOEFL iBTが80点あれば出願することができます。)

また、英語の勉強方法については英語学習にまとめていますので、そちらも参考にしていただければ幸いです!

1.5. 交換留学にはどれぐらいの費用がかかるのか?奨学金などはあるか?

留学にかかる費用は国によって変わるので、一概には言えません。

下のWebサイトの体験記を見ることで、各大学ごとに留学でどれだけの費用がかかるのかを知ることができます。

やはり北米の大学は高く、アジアの大学は安い傾向にあります。ご自身の予算と合わせて留学先をご検討されると良いと思います。

奨学金について

ただ、ありがたいことに、交換留学のための様々な奨学金が存在します。そのため、留学にかかる費用は想像よりは抑えることができます。

例えば、2023年度現在では、地域やご自身の成績に存りますがUSTEPに参加する人は基本的に誰でも月8万円、準備金15万円の奨学金を受け取ることができます。

また、筆者も実際に受給していたトビタテ留学JAPANでは月16万円、準備金25万円の奨学金を受け取ることができました。

他にも様々な団体が給与型の奨学金を出しているので、ぜひGo Global Websiteのこちらのリンクを参考にしてみてください。


2. 交換留学の種類

ひとえに交換留学と括りましたが、交換留学にもさまざまな種類があります。東京大学において、交換留学には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

2.1. 全学交換留学(USTEP)

こちらは東大の全ての学生が対象のプログラムです。他の交換留学に比べて一番規模が大きく、東大の交換留学といえば、ほとんどの人がUSTEPを利用しています。

全学交換留学のホームページに詳細がよくまとまっているので、一度目を通してみると良いでしょう。また、公式サイトのFAQも充実しているので、さらに知りたい場合はこちらにも目を通すと良いと思います。

2.2. 部局交換留学

こちらは、各学部や各研究科が主催している交換留学になります。例えば、工学部の学生が工学系研究科が独自に提携している大学に留学する、といった具合です。

USTEPとの違いは、提携先大学の数が違うこと(大抵部局の方が選択肢が少ない)、応募できる人がその部局に所属している人に限られること です。 (例えば、工学部の機械A,BではMITへの交換留学プログラムなどがあります。全学交換留学ではMITは協定校に含まれていません。)

USTEPでは提携先として締結していないが、各学部が独自に締結している大学も多くあります。各学部のWebサイトにそのような機会がないかを調べてみると良いと思います。Webサイトが更新されていないこともありますので、確実な情報を得るためには直接学部の事務所に問い合わせるのが良いでしょう。

2.3. 研究室交換留学

こちらは、各研究室のコネを利用することによる交換留学になります。基本的には自分の所属する研究室の先生と繋がりのある先生の研究室に留学することになります。

実際、自分の研究室の先輩でも、教授のコネを利用して海外の研究室に留学している人がいました。

東京大学の先生は、海外の大学の先生と繋がりがあることが多いので、自分の研究室の先生にそのような伝手があるかどうか聞いてみると良いと思います。(知り合いの話になってしまうのですが、研究留学では、費用が全部無料になったり、なんなら給料が出る場合もあったりします。)


3. 交換留学先の選び方

東大の協定締結校の一覧はこちらから見ることができます。

交換留学先の選び方は人によって変わると思うのですが、私は以下の3つの観点から選ぶと良いと思っています。

留学先を選ぶ観点

  1. 自分の留学先の国の文化に興味があるかどうか
  2. 自分の専門分野の研究が盛んなところかどうか
  3. 留学先の大学の留学期間が自分の希望する期間とマッチしているかどうか

上記は主要な3つの観点を挙げましたが、最終的には「自分が留学する目的」を徹底的に考え抜いて、その目的にマッチするところを考え続けることが大切だと思います。「留学の目的」を考える上で下の記事が参考になりますので、ぜひ一度目を通してみてください。

また、留学先についてさらにもっと詳しく調べたい場合は以下のキーワードでGoogle検索をしてみると良いと思います。

留学先について調べると良いキーワード

  • [留学先大学の大学名] + [Official Website]
    • ex. University of Toronto Official Website
  • [留学先大学の大学名] + [自分の専攻の名前]
    • ex. University of Toronto Computer Science
  • [留学先大学の大学名] + student exchange
    • ex. University of Toronto student exchange
  • [留学先大学の大学名] + student life
    • ex. University of Toronto student life
  • [留学先大学の大学名] + student blog
    • ex. University of Toronto student blog
  • [留学先大学の大学名] + [自分の専攻の名前] + student blog
    • ex. University of Toronto Computer Science student blog
  • [留学先大学の大学名] + [自分の専攻の名前] + academic calendar
    • ex. University of Toronto Computer Science academic calendar
  • [留学先大学の大学名] + [自分の専攻の名前] + course list
    • ex. University of Toronto Computer Science course list
  • [留学先大学の大学名] + [自分の専攻の名前] + course syllabus
    • ex. University of Toronto Computer Science course syllabus
  • [留学先大学の大学名] + [自分の専攻の名前] + professor
    • ex. University of Toronto Computer Science professor

検索を進めると情報量が膨大になるので、あらかじめスプレッドシートとかを作って調査結果をまとめると良いのかな、と思います。

また、YoutubeやInstagramなどのSNSを使って情報収集を行えば、留学先の大学の雰囲気を知ることもできまし、Redditなどの掲示板を使って、留学先の大学の学生に直接質問することもできます。

自分の興味のある大学を3~8校ぐらいに絞って、上に挙げた検索キーワードで検索するとその大学の雰囲気が掴めるかな、と思います。


4. 交換留学のメリット・デメリット

続いて、各学年ごとに留学するメリット・デメリットをまとめます。

4.1. 3年生で留学するメリットデメリット

メリット

  • 現状東大の交換留学に参加する時期で最も多いので、先輩の情報を得やすく、周りとも情報共有しやすい。
  • 4年生になるともろもろと進路を考えることになるため、その前に留学することで自分の価値観にじっくり向き合うことができる。

デメリット

  • 2セメスター留学する場合、殆ど確実に学年を落とすことになる。 (就活が留学前に終わっておりor 留学中に内定を獲得する見込みがあり、3年生の後期と4年生の前期に対面の必修がない場合は留年しない可能性もある。)
  • 4年生で留学する場合に比べて専門性が低いため、留学先で研究室したい場合は、研究室を見つけるのが若干難しい。

4.2. 4年生で留学するメリットデメリット

メリット

  • 4年の春学期に研究を少しでも始めていれば、留学先で研究室を見つけやすい。
  • 3年生の秋学期に留学を開始するよりは専門性が高い状態で留学できる。
  • 修士留学に比べて留学先の選択肢が広く、英語などの要求水準も低い。(たいていの大学は修士の交換留学の方が要求水準が高い。また、修士学生を募集していない大学も数多くある。)

デメリット

  • 2セメスター留学する場合、 殆ど確実に留年することになる。 (1セメスターのみの留学なら留年しないことも可能。)

4.3. 修士1年生で留学するメリットデメリット

メリット

  • 修士の方は学部時代に研究を経験していることが殆どだと思われる。そのため、 研究したい分野が決まっている、ないしはすでに論文がある、ことが多く、研究室を見つけやすい。
  • 修士中に留学先の大学の教授とコネを作ることで、学年を落とさずその大学の博士課程に進学する選択肢ができる。(例えば、修士2年の夏前に日本に帰ってきて、そこから出願を始め、翌年の秋から博士課程で入学する、といった具合。)

デメリット

  • 博士課程に進学しないのであれば、学年を落とす可能性が高い。 (留年しないためには、就活を間に合わせ、必修を取得し、研究をそれなりに進める必要があるため。)しかし、学部生よりは必修が少ないことが一般的であるため、学部生よりは学年を落とさない選択肢が現実的。

4.4. 修士2年生で留学するメリットデメリット

メリット

  • 学部4年、修士1年の研究成果があれば、留学先での研究室が見つけやすく、成果も出しやすいと思われる。
  • そのため、教授とコネを作り、その大学の博士課程に進学することがより現実的になる。

デメリット

  • 2セメスター留学の場合、ほぼ確実に留年することになる。

留学のタイミングは、個人の状況や目的によって異なります。自分の状況をよく考えて、留学するタイミングを決めましょう!

5. まとめ

以上、交換留学の概要についてまとめました。 USTEPについてもっと詳しく知りたい人は、UT-BASEのこちらの記事も参考にしてみてください!

また、質問や要望があれば、以下のGoogle Formからお気軽にご連絡ください!

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